コラム

リッチブラックと墨ベタと4ベタの違い

■リッチブラック
C:60%(40%でも可とされる場合あり)
M:40%
Y:40%
K:100%
合計 220~240%

黒を深みのある、透け感のないしっかりとした発色にする為使われます。
4色をすべて使うため色は濃くなってキレイですが、同じ箇所に4版使う(4色4回印刷する)ため「版ずれ」「見当ずれ」と呼ばれる現象を起こす可能性があり、最悪色の境界線にずれた版(色)の線がうっすら出たりします。細い文字や細かい文字、罫線に向かないとされる理由はこのためです。

■4ベタ
C:100%
M:100%
Y:100%
K:100%
合計 400%

一般的に印刷では推奨されません。いくつか理由はありますが、まず薄い紙に印刷すると水分を吸いすぎてシワになったり、感想に時間がかかるため印刷スピードを遅くしたり、色が濃すぎて裏写りしたりするためです。
場合によっては印刷物通しがくっついてしまったりすることもあります。
印刷面同士がくっついてしまい、剥がした時に印刷ごと剥がれてしまうことを「ブロッキング」と言います。
発色としてはもっとも深みがあり美しい黒と言われていますが、そもそも印刷所が受けてくれないこともあります。

■墨ベタ
C:0%
M:0%
Y:0%
K:100%
合計:100%

主にテキストや罫線などに使われるが、広範囲のベタ塗りには適していません。
何故かと言うと、印刷は極稀に液晶のドット抜けみたいな現象が起きたりするのでその時に紙色がモロに出てしまうからです。そういったトラブル防止のためにも何か数%でいいので混ぜておくほうが望ましいです。一般的にはC(シアン)が使われます。

また印刷会社によって違いはありますが、墨ベタには「オーバープリント(墨のせ)」と言う【データ上にある色を】すべて重ねて印刷する場合があり、墨ベタで何か他の画像やオブジェクトを隠している時に助けて印刷される可能性がありますので注意が必要です。

その他

CMYKの合計数値はは250~300%(350%までは印刷化)が推奨されています。
印刷速度に対する乾燥速度や最低限以上の発色が出来る濃度として定められています。
ただしマットコート紙や上質紙などでは300%以内で推奨されています。これはインクを吸いにくい紙の特性からです。他にもそういう紙はいろいろあります。逆にインクを吸いすぎるために総量を少なくしないと滲みが出てしまう紙もあります。

余談ですがRGBで黒を作ってそのままCMYK(「Japan Color 2001 Coated」の場合)に変換すると4ベタまでは行かなくてもかなり濃い黒になり、ザックリした数値で表すとC95:M90:Y90:K80の合計350%程度で一見問題ないように見えるのですが設定ごとにこの数字も変わってしまい、印刷全体の品質に関わるので注意が必要です。

4ベタに関する誤解や間違った認識

上記しているように4ベタ(400%)のデータは一般的に推奨されていない為、印刷時にデータ補正機能で自動的に色が変換されてしまい、他の色味まで変わってしまうとこがあったり、そもそも印刷前の段階でデータチェックしてるオペレーターさんから修正指示が来たりするような物ではあります。インクを大量に使用するため、印刷した用紙くっつく、黒が濃すぎて裏透する、インクが擦れて汚れる、乾きが遅くなるのでその粉印刷機のスピードを調整する必要がある。などなどでメリットやリスクが大きい為殆どの場合【推奨されていません】

ただし最も深く濃い黒が発色出来ると言うメリットもあります。

これは逆に言うとそう言った事を承知の上、であれば印刷所と相談の上普通に4ベタデータは印刷機で印刷可能なデータであるとも言えます。

・4ベタは印刷出来ない
・4ベタのデータは作ってはいけない
などの情報は一部を極論化した間違った認識なので誤解のないようにしてください。実際に4ベタで印刷された黒はかなり綺麗です

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