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クリエイティブとビジネスの良好な相互関係

クリエイティブとビジネスの良好な相互関係について。

– 前置き

さて、この押しも迫ったド年末のしかもクリスマスも目の前に少々重たい話題をさせていただく。クリエイティブとはそれ自体を見る立場によってビジネスとはかけ離れた視点で語られることがあります。しかし私たちプロのクリエイターは、プロであるがゆえに、クリエイティブをビジネスと結びつけて考えねばならない義務があります。

今回はその辺りの話を軽くまとめてみました。

目次
1,クリエイティブを見る視点
2,クリエイターの目線
3,クライアントの目線
4,良好な相互関係とは何か?

– 本編

1,クリエイティブを見る視点

前置きでクリエイティブについて「ビジネスとはかけ離れた視点で語られる」ということを書きましたが、「視点」というのは言い換えると「評価」のことで、この評価を誰がどの立場でするかによって評価内容もまったく変わってきます。

この場合の視点はとくに大きく2つあり、作った側、つまり「デザイナーの視点」と依頼側である「クライアントの視点」です。物事はほとんどの場合、多面的で多角形なので見る角度によって色や形が違って見える物ですが、これは私たちが作るクリエイティブにおいても言えることです。

さらに踏み込んで考えると、なぜそのように視点によって評価がわかってしまうのか?はそもそも評価の基準が違うからに他なりません。


クライアント側から見たときに制作者側の「自分たち的には物凄く出来が良い」「新しい技術を散り入れた」「いつも以上に時間も人員も使い労力をかけた」といったわれわれはコレだけ頑張ったとか大変だったということがクライアント評価にはつながりにくいものです。

逆にクライアントからの「もっとデザインをこうしてほしい」「こういう要素を足してほしい」「この素材を使ってほしい」という要望がデザイナーからすると、全体のバランスを崩したりスタイリングの出来を落とす行為に感じられる場面も多々有ります。その背景には互いの立場から生まれている視点の差があるわけです。

それではそれぞれの立場の違いについてもうすこし考えてみましょう。

2,クリエイターの目線

クリエイターは成果物をSNSやポートフォリオなどで一般に公開した際、そのほとんどがクライアント名(規模感)とスタイリングによって評価されます、なので感想としては「イケてる」「格好良い」「すてき」などの言葉で表現され、それが評価として世にも受け入れられる場合が多く、また個人、チームにかかわらずどれだけチャレンジしたか?そんな物を世に出したか?という部分にフォーカスして語られます。

ゆえにそうしたわかりやすく、「成果物が世に出るまで」を記事にしたりストーリーを語ったりしがちであることはある意味で仕方ないとも言えます。

3,クライアントの目線

一方クライアントにとってクリエイティブの成果物は、殆どの場合目的達成のための手段であり、クリエイティブの完成(印刷物やWebサイトリリース)はプロジェクトの道半ばでしかありません。

もちろんそのために試行錯誤し、より良いクリエイテブを世に出すためデザイナーやディレクターを肩を組み二人三脚で頑張ったのであれば、その感性を大いに喜んでくれるでしょうし一定の評価をしてくれます。

しかしその結果、例えば観覧数が低いであるとか、売り上げに繋がらなかったであるとかプロジェクト全体の成果によって最終的な評価をします。

つまり「成果物が世に出てから」がクライアントにとっての評価基準の本質なのです。

4,良好な相互関係とは何か?

わたしたちデザイナーやディレクターも当然作った成果物がクライアントのプロジェクトにどこまで寄与出来ているのか?そしてそのために制作前の段階で、マーケティングデータの解析や事業推移や経緯、企業理念からプロジェクトにかける思いなどなどさまざまな情報を分析してそれをクリエイティブにつなげていくわけですが、それをたった一度の案件運用、ワンクールで結果を出すという事が年々難しくなってきている様に感じられます。


コレは消費者ニーズの細分化やSNSを中心とした情報の局地化が大きな要因だと思われますが、そうした事情を踏まえて継続的かつ効率的な予算消化の提案やメディア選定、コンテンツ制作など多岐にわたった提案を出来ることが望ましくなるでしょう。

そしてそうした「成果物が世に出るまで」にこだわり「成果物が世に出てから」を帆走できるクリエイティブこそが【クリエイティブとビジネスの良好な相互関係】と言えるのではないか?と私は考えています。

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