クリエーターは知っておきたい【QRコード基礎知識】
目次
- そもそもQRコードって何だっけ?
- QRコードに出来ること
- QRコードの特性
- QRコードの規格
- オリジナルのQRコードを作る
- まとめ
そもそもQRコードって何だっけ?
Quick Responseコードの略。もはや生活の中で見かけない日はないと言うくらいに浸透し、名詞や広告にも当たり前のように組み込まれている、あの正方形の集合体です。皆さんそんなの今更聞かなくても知ってるよ!と思うかもしれませんが、どういう仕組みでどんな事が出来るのか?ちゃんと説明出来る人は意外と少ないようです。
バーコードとの違いは?
一口にバーコードと言ってもバーコードも実は種類がたくさん有ります。数字を登録して商品管理などに使うJANコードや文字なども登録出来るCODE39、書籍専用JANコードのISBNなどもっとありますが、共通しているのが横一列に並んだ縦線(バー)であるという事です。
しかしQRコードは正方形の集合体でコード自体も正方形の中に収まっています。縦軸と横軸の観念があるという事です。横軸のみのバーコードを一次元コード、縦横軸のあるQRコードが二次元コードと呼ばれるのはそのためです。
二次元コードになる事によって今までのバーコードに対する記録情報量は数百倍になったと言われています。そんな今や世界中で当たり前に使われているQRコード、これもあまり知られていませんが実は開発したのが日本の【株式会社デンソーウェーブ】と言う企業です。1994年の開発以降オープンソース化され、スマホの普及とともに一気に全世界へ広がりました。 余談ですが正方形が採用されたのには理由があって、5,000以上のサンプルから最も認識しやすい図形を割り出した結果だそうで、QRコードが掲載されている周辺に他の図形や文字などがあってもコードだけを早く正確に読み取りが出来る配置や数、サイズの比率となっているそうです。
1997年 | AIMIのITS規格に登録 |
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2000年 | ISO/IEC規格に登録 |
2004年 | マイクロQRコードがJIS-X-0510として規格化 |
QRコードに出来ること
先ほども触れたように【バーコードに対する記録情報量は数百倍】と言われても正直言ってピンと来ないと思いますが、具体的にはもっとも大容量な【バージョン40:誤り訂正レベルL(規格については後記)】と言う規格の場合で下記の情報量が記録出来るそうです。
漢字/かな | 1,817文字 |
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英数字 | 4,296文字 |
数字 | 7,089文字 |
私たちの身近で使われているのは【WEBサイトのURL】や【SNSのアカウント交換】などの連絡先、キャンペーンの応募や掲示物の補足情報などではないでしょうか?しかし実際には画像やサウンドデータ、バイナリデータ(8ビット)も最大2,953バイト(約3KB)記録する事ができます。広告の補足や連絡先交換など、情報の橋渡しをスムーズにするだけでなくコンテンツを直接送る事が出来るという訳です。さらに電子マネー決済、入場券などのチケットの代用などさまざまな用途で使われ始めていますが、複製も容易なため管理方法など取り扱いの注意も呼びかけられています。メリットでありデメリットでもある、専用端末無しでスマートフォンでも簡単に読み取れて運用出来るという点も大きな特徴ですが、それだけ管理の難しさもあります。
QRコードの特性
QRコードの優れた点は情報量の多さだけではありません。まずQRコードの構成パーツは以下のような5つのパーツに分かれているのですが当然それぞれに異なった意味があります。
①ファインダパターン(切り出しシンボル)
バーコードは一次元であるために正面から読み取らないとエラーを起こすのに対して、QRコードは二次元上にファインダパターンが有る事で斜めであろうと多少のゆがみがあろうと外形を正確に割り出し検出する事が可能になっているのです。
②タイミングパターン
コードの座標を検出するための物
③アライメントパターン
主に読み込みが斜めからだったりコードがゆがんでいたときなど、セルに生じるゆがみ、ズレを補正し位置ズレを修正してくれる大事な役割をになっています。
④フォーマット情報
読み取っているQRコードが持っている【誤り補正機能(詳細は規格の項目にて)】の判別を行う
⑤セル
二進法による言語表現、いわゆる01信号。ここに記録されているのが情報の本体
⑥クワイエットゾーン
QRコード周辺の余白部分で、QRコードモデル1、モデル2で4セル分、マイクロQRコードで2セル分の空白が必要
QRコードの規格
①誤り補正機能
多様な使い方が出来るQRコードだからこそさまざまな場面で使われる事が想定されます。室内のポスターやスマートフォンの画面だけではなく、工場や工事現場など環境が良くない条件下で使われる事を想定したレベルHなど4段階に設定されています。
誤り訂正レベル
レベルL 約7% スマートフォンの画面や汚れにくい環境
レベルM 約15% 広く一般艇に使われる環境
レベルQ 約25% 工場や野外など汚れやすい環境
レベルH 約30% 工場や野外など汚れやすい環境
ただしこの補正自体は万能ではなく、ファインダパターンやアライメントパターンが認識出来なかったりした場合、読み込みが出来無くなります。またレベルがあるほど認識範囲が狭くなっても読み込める=読み込み情報が少なくなるため必然的にQRコード事態が大きくなってきます。QRコードを制作する際に大きさを選択するのはこのためです。
②バージョン
QRコードにはバージョンと呼ばれる種類があり、それぞれのバージョンごとにセル構成(セル数)が決められています。1〜40まで存在しバージョン1のセルが21×21に対してバージョン40では177×177という膨大な数になります。当然セルの数が多ければ多いほど認識する為のコード自体のサイズも大きくなります。バージョンは情報量によって決定するので任意で決められる物ではありませんが、実際にはバージョンと誤り補正のレベルを適用して最適な大きさが決められます。
オリジナルのQRコードを作る
クリエーターの皆さんがQRコードを必要とする場面は、どんなクライアントさんからどんな案件をご依頼されるかによって変わってきます。オシャレでミニマルなデザインで使いたいときと、梱包材などに仕分けの為に入れたいときでは使い分ける必要があります。そんなQRコードを自由に、そして簡単に作る事が出来る【無料】サービスを紹介します。
多機能系 バーコードどころ【多機能系】
QRコードだけでは無くあらゆるバーコードを制作可能で、pngとepsでダウンロード出来るのもありがたいです。普通のQRコードだけでなくデザインQRコードの制作も出来るので非常に助かる上、クリエイティブの手助けになる配色制作、チラシクリップ、著作権について調べる、テキストを文字画像にする、地図素材をダウンロードなどもあって使い勝手の良いサイトです。
QRのススメ【多機能系】
とにかくいろいろな種類のQRコードが制作可能でデザインQRコードはもちろんカラー、文字入り、角丸タイプ、多言語版、各用途別専用などなどほとんどの仕様を網羅しているのではないかと思いますが、有料版ではアクセス集積機能やコード発行後に内容を変更出来る機能などもあったりマーケティング活用にも使われています。
シンプルQRコードメーカー【シンプル系】
間違えようが無いくらいこれでもかと言うほどシンプルです。
CMANインターネットサービス【シンプル系】
素栗はシンプルながらもそれなりに設定もしっかりできます。
まとめ
これまで書いてきたようにQRコードにはまだまだ可能性が秘められています。提案するクリエーターのアイデア次第でさまざまな発展が見込める道具なのではないかと思いますが、手軽さと便利さの反面セキュリティーの問題も付いてくると言うのは忘れてはいけない一面だと思います。
初歩的な話ではありますがこういったコードなどを印刷物の紙面に使う場合は、実寸で出力して読み込める事を確認する事を忘れないようにしましょう。ポスターなどの掲示物であれば、近寄る事が出来ない場所に設置する可能性もあります。実際に使われるシーンをきちんと想定し、サイズや規格を適正に判断して提案するのも我々クリエーターの責任と言えるでしょう。
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