仕事

悩み相談 Q&A 01 こだわるさじ加減の話

私はいま(18/11月時点)ではデザインの相談を受ける窓口が【MENTA】しか無いのですが、そちらで頂いた質問に回答した内容をこちらにも掲載しておこうと思います。

というのも、この質問の内容はいくらかの違いはあれど、多くのクリエーターとそこを目指す人が抱えている疑問、または問題なのではないかと思うからです。

あくまで個人的見解ですが、私はこう思います。

細かいこだわりって何処までやればいいの?

質問

とにかくまずはやってみようと始めたデザインの勉強ですが、すすめるにつれて、よく言われる「細部へのこだわり」というものが気になってきています。

正直なところ、自分はかなりいい加減、大雑把な人間で、いくつかの場面で最近あらためてそれを痛感しているところです。
今からデザインを専業・本業にするのは無理だろうと思っていますが、それにしても日常生活でのそうした面が低い段階でも制作物に表れるものなのでしょうか。

それでも例えば「このテキストは1カーソル上か下かどちらがよいか」「この場合、かなり似てはいるがどちらのフォントがよいか」といったことに悩み、時間が経ち、そこにささやかな楽しさがあるとは感じてはいるし憧れではあるのですが、それらは矛盾しないものなのかと、愚問な気がしつつも気になってしかたありません。

回答

何を隠そう私も基本的に大雑把で適当な人間です。
しかしその真逆にものすごく神経質で細かいという部分も持っています。

自分の中でこの相反する二面性をどう折り合いがついていくのかは意識をしたことがないので、これこれこう言う方法で〜〜とは言えませんが、簡単にいうと「気になる部分を気にしていく」しかないのかな?と思います。解決できないような回答で申し訳ないのですが、それこそ見ていて気が付かないものを気にしろと言われても無理な話だと思うので、経験していく上でその精度を上げていくしか無いと思います。

ただし、その経験値を上げる上で、今まで添削してきた内容を意識しているか居ないかでその成長度合いは変わってくるのは間違いありません。見たことも聞いたこともないものを習得するのは無理ですが、一度でも見聞きしたことが有れば何かしら残っているものです。質問者さんの物作りに向き合う姿勢を考えれば十分に伸びしろはあると思います。

ビジネスとしてデザインを手がける場合、究極にこだわり抜いて制作していくというのはある意味幻想です。
何をするにも枕詞に「予算内で」「納期内で」が付きます。ここは絶対忘れてはいけない部分です。一般的にアマチュアに近い人ほどその意識が薄く、ベテランほど当たり前のこととしてそう言う単語をあえて言いません。極端な話、同系の明朝ならどっちでもいいです。まずは当て込んでこだわるべき部分をこだわり、余裕があれば色々試してみましょう。もしフォントが全てのデザインをするなら話は別ですが。これは配置の問題でも同じです。全体を大まかに組んで見せるべき部分に注力し、その余力で細部を調整します。経験を積んでいくとその時間割が自然とできてくるでしょう。

もしデザインを本業にするということならば、そのすべての課題がクリアできてから・・・と言う考えは捨てたほうがいいです。どんなデザイナーも全ては未経験からスタートしています。プロになってから仕事を始める人はいません。仕事を進めるうちにプロになっていくのです。それまでは周りに迷惑をかけたり勉強したり苦労も多いですが・・・あ、それは正直ずっと変わらないかな?私も未だに周りに頼ってますし勉強に日々なので・・・

まぁそんな感じで仕事だけではないと思いますが、物事は経験しながら目標に近づいていくのだと思いますよ。

一応誤解のないように補足しておきますと、フォントの選別や配置にこだわらなくていいと言ってる訳ではありません。スタートの時点でいきなりそこにハマって全体が疎かになるくらいならば、先ず大まかにデザインを組んでから重要な箇所に優先順位をつけて時間をかけていきましょうと言うような趣旨で言っています。

「魂は細部に宿る」というように全てにこだわり抜いて作業することは理想ですが、限られた時間と予算の中で何処まで出来るのか?ということは表裏一体でどちらも度外視して考えることは出来ません。私が思うに一人前のプロというのはそういった計算もできる人のことだと思います。

具体的なデザインの添削が有った中でこういった質問も出来る限り答えていきたいと思います。

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